おおーかみ娘、医者を名乗る 第一話 のつづき。

せっかく入った大学には、、、、

ダメな論文を書く先生に付き従ってしまいました。先生は、
「狼先生だそー」
「この人に、論文盗用されたー」
「剽窃、剽窃、剽窃!」
と罵られて、弟子の指導どころではありません。

娘は先生から遠ざけられて、先生の背中を見ながら、大学の日々を過ごしました。

先生は論文を書くときに、事実を曲げたり、他の人の文章をちよろまかしたり、色々とダメなことをしていました。

娘は、先生が論文を書くときの作法を、先生の背中からきちんと学びました。

きちんと学びました。

娘はある日、国際機関で活躍する有名な女性を知りました。

「ああいう人になろう。近道は何だろう」

今いる大学から国際機関に行こうとしても、薄給のインターンから始めなければなりません。しかも、修士号をきちんと取得してから。あの先生の下で、修士号なんて取れるでしょうか。

外交官や官僚になって、国際機関に出向する道もあります。
けど、外交官試験や国Ⅰなんて、この娘の手には到底、届きません。

そして、娘は思い付きました。
思いついてしまいました。
この思いつきが後々、この国を揺るがすことになります。
その思いつきとは、、、

つづく。

[0回]