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新型コロナウィルスでお騒がせな村中璃子の大研究 | |
おおーかみ娘、医者を名乗る 第三話
「そうだお医者さんになろう」
娘は思い付いてしまいました。 「お医者さんになったことにすれば、国際機関や厚生省に入りやすくなるし、みんなを見返せるよね。」 この娘は不登校になった頃を、忘れていないようでした。 きっとずっと忘れないでしょう。 「でも、受験勉強、かったるい」 この娘は、高校を卒業すらしていません。 「小論文と面接だけで入れるところがあれば、いいな」 「文章力なら自信がある」と分不相応な自信がありました。 娘は全国の医学部編入試験を調べました。 残念ながら、小論文と面接だけで入れる医学部がありました。 北海道大学医学部でした。 「遠いなぁ。田舎だなぁ。冬は寒そうだなぁ」 けど、娘は思い直しました。思い直してしまいました。 「ハパから離れられる」パパは不倫中でした。 「毎日、北海道物産展」北海道は美味しいものばかりです。 「冬はTシャツなんだぁ」北海道の冬の室内は、暑いくらいです。 娘は北大医学部の編入試験を受けました。 合格してしまいました。 なぜ娘が合格できたのか、それを知る者はごくわずかです。 それから約四年後。 北大医学部生たちは概ね、実習と国試対策と来年春からの人生設計に追われていました。 もし国試に落ちれば、同級生たちから一生笑われ者になってしまいます。一生、後ろ指を指され続けます。 だから皆、国試対策に必死でした。 ところが、一人だけ、悠々自適な医学部生がいました。 なぜなら…… PR コメントを投稿する
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